自分が育てた事業と会社、誰に継ぐ?継がない?現役社長の赤裸々トーク
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このブログでは、番組の内容をわかりやすい記事にして紹介します。
第11回は「身内への事業継承が減っているワケ」です。
サマリー
・昔は大きな資産だった家業も、経営の難易度が上がった今は手放しでは喜べない!?
・商売は教わる機会も少ないし、教えられた通りにやるだけではすぐに通用しなくなる
・資金力や人柄だけではなく、会社が大事にしてきた文化や思いをちゃんと継承して欲しい
それでは本編をお楽しみください。
身内への事業継承はせず、売却して手放すのが一般的?
安田:今日は事業継承についてお話ししていきます。最近は自分の子供に事業や会社を継がせるという人が昔に比べて非常に減ってきていて、私の周りの経営者さんも身内に継がせる人はあまりいません。
昔は子供に会社を残すことはお金を生み出す金の卵を託すような感覚でしたが、今の時代は経営も難しいので会社を残したところで上手くいくとは限らないですし、むしろ負担になってしまうかもしれません。なので会社を売却したり整理してお金だけを残す人が増えています。
村松さんは色々な会社のM&Aなどを手がけていらっしゃいますが、周りの経営者さんの事業の終わらせ方や引き継ぎの仕方はどのようなパターンが多いですか?
村松:私は41歳で、成人した子供が2人います。私が同じ年齢だった時と比べたら今の子供達は驚くほど様々なことを知っていますし、考えるスピードも早く発想力も豊かなので私にはないものを沢山持っているように感じています。
安田さんがよく言っている「魚を与えるのではなく釣り方を教えよう」というお話もその通りだと思いますが、私はあえて釣り方すら教えずに自分らしいフリースタイルを見つけてくれた方が伸びるのではないかとも思っていて。
良い意味で放っておこうという考えです。自分の子供に会社を継がせるかどうかでいうと、そうしたいとは思っていません。
安田:そのような考えに至るのは、村松さんのお子さんが商売人適正が高いからでしょうね。日本の教育システムではある程度答えを覚えることが必要ですし、指示されたやり方で解かないと点数がもらえないことの方が普通です。
学校で勉強することのゴールは良い会社に入って良い会社員になることなので、社会に出るまでは商売の勉強をする機会自体がありません。
商売を学ぶ機会が減り、学んだこともすぐに陳腐化してしまう時代
安田:昔は商売人の家に生まれれば、仕入れのやり方やお客さんとの付き合い方が日常的に目に入りました。今はインターネットの時代なのでスマホ一つあれば世界中の商売に触れることができますけど、ある程度センスのある人でない限りなかなかそのような感覚にはならないはずです。
本当に才能があって商売に目覚める人は放っておいてもやると思います。私自身も特別な教育を受けたわけではなく、勉強することに違和感があったので勝手に商売を始めたタイプです。
でも私や村松さんのような人間は世の中的には少なくて、「読み・書き・そろばん」レベルの基礎くらいはちゃんと教えないと商売をできるようにはならないんじゃないかと思います。だけど今教えることが10年後に通用するかというと、それはわからないですよね。
「この事業をこの通りにやれよ」と言っても10年後が安泰なわけではないと考えると、一旦リセットして最低限の資金援助など以外は「自分でやってくれ」という方が、遥かに子供のためになる気はします。
村松:そうですね。子供が持って生まれたものを活かした職について、それを磨いていくことが一番良いと思っています。親が与えるものが必ずしも正しいとも思っていません。
安田:昔は自分がやってきた会社の経営の仕方を教えて引き継ぐというのが魚の釣り方を教えることに近かったわけですが、今はもう教わった通りにやり続けても上手くいかない時代ですから。
毎年のようにビジネスモデルを変えていかないといけないですし、長い間一つの事業を継続して1人の人がやるのはすごく難しいと思います。最近は20代で会社を立ち上げて30歳前後くらいには売却してしまう人などもだんだんと増えてきています。
私たちの世代だと「自分が作った会社がせっかく大きくなってきたのに、ここで売ってしまうのか」という感覚もありますが、結構高く売れちゃうのでそれで良いという時期もありました。立ち上げが得意な人とそれを大きくするのが得意な人は別だったりしますし。
事業継承についても今までの常識が通用しなくなりましたね。「息子が継いでくれるから安心」という時代ではなくなったと思います。
村松:「この仕事を本当に続けていきたい」という方がやるべきだと思います。
誰に継承するかではなく、何を継承してもらうか。
安田:村松さんは会社を作った頃から「身内には継がせない」と決めていましたか?
村松:はい。事業規模が大きくなると一つひとつの判断がもたらすリスクや損失の影響が大きくなるので、それを考えると子供には継がせたくないと思っていました。
それならば私の近くで力をつけてきた「こいつだったら大丈夫」と思える人で、しかも事業に対するモチベーションやお客様への思いが備わっている人に頼みたいと考えています。そうでなければM&Aなどで売却することになると思います。私が元気なうちにそうなるイメージはありませんが。
安田:村松さんも永久に41歳ではないですから、50代60代なんてあっという間ですよ。
村松:まだイメージできないですね(笑)
安田:あと10年経って50を過ぎた頃には、終わりを考えて逆算をし始めないといけないはずです。社員の誰かに引き継ぐにしても借金のある会社であればそれを買い取ってもらうことはできないでしょうし、ある程度会社が儲かっていて資金がないといけません。
村松:確かに。
安田:身内をオーナーにしてサラリーマン社長だけを立てても、それで本気で経営してくれるかというと難しい気がします。資金力があって人材も送り込めるような相手に売却できることが、自分も家族も会社の中にいる社員もハッピーなのかもしれませんね。
会社を売却することは社員に対して申し訳ないという風潮が昔はありましたけど、今はむしろ大きい会社に買われることで喜ぶ社員の方が多いように思います。
村松:そうですね。私たちの会社は日本一の給料水準を目指しているので、買ってくれる会社がそういった理念やビジョンに共感してそれを継続してくれるのならば良いなと思います。会社規模や人柄だけでなく、大事にしていることを継承してくれるかどうかが重要だと考えています。
安田:村松さんが会社を買う時には、以前よりも給料を上げる方針ですもんね。村松さんが会社を売るならば、村松さんがそうしてきた以上に社員の給料を上げることにコミットしてくれる人でないといけないのですね。
村松:はい!
安田:素敵なビジョンですね。
村松:ありがとうございます。
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